【低学年向け】ソフトボール投げの記録を伸ばすコツ3点
- 子どもとキャッチボールをしたいけど、子どもがうまく投げられなくて困っているお父さん
- 少年野球で低学年の指導を任されたけど、どうやって指導するか困っているコーチ
- 低学年のボール投げの指導に悩んでいる小学校の先生
そんな方たちのために、ソフトボール投げの記録を伸ばすコツについて紹介します。
私は元小学校教員で、現在は低学年対象の野球教室で毎週指導しています。
数ヶ月間で平均8m→13mと平均5mの記録が伸びた方法をお伝えします。
結論からいうと、コツは次の3点です。
- 持ちやすいボールで練習すること
- サイドステップからのスローイングを練習すること
- 楽しく遊ぶこと
詳しく解説します。
1.持ちやすいボールで練習すること
ソフトボール投げの練習はソフトボールでやらなくてはいけない?
そんなことはありません。
むしろ、持ちにくいソフトボールでしか練習していないと記録は伸びません。
なぜかというと、
持ちにくいボールだと子どもが思い切って腕を振れないから
です。
ソフトボール投げの記録を伸ばすには、腕を速く振る必要があります。
低学年の子の小さな手で大きなボールを持つと、投げるときに落とさないようにするために自然と腕をゆっくり振ってしまいます。
それでは良い記録は出ません。
まずは子どもがしっかりと持てる大きさ、重さ、柔らかさのボールを使いましょう。
例えばビニールボールやテニスボール、玉入れの球や新聞紙を丸めたものなどでもいいでしょう。
特にテニスボールがおすすめで、低学年のうちは野球のボールよりテニスボールのほうが遠くに投げられます。
1つだけ気をつけていただきたいのがボールの握り方です。
子どもにボールを握らせると、はじめは鷲掴みで握ります。
そのままだと腕を速く振ったときにすっぽ抜けてしまいます。
鷲掴みから親指の位置をボールの真下にずらして、上下ではさむように握ります。
そうすると、しっかりと持つことができるので、腕を速く振ることができます。
ソフトボールが大きくて握りにくい子は、人差し指と中指に加えて薬指も使って三本の指で上から押さえて親指で下から支えるのもオススメです。
子どもの手の大きさに合わせて握りやすい方法を教えてあげてください。
2.サイドステップからのスローイングを練習すること
これが1番のポイントです!
実は、文部科学省の体力テストの実施要項には、実施上の注意として
『ステップして投げたほうがよい』
と書かれています。
ただ、そのことは指導の現場ではあまり意識されていません。
むしろ低学年の子がステップすると、ラインからはみ出してしまうので、ほとんどの子がノーステップで投げています。
投げる運動は腕だけの運動ではなく、全身の力を使った運動です。
全身の力をうまく組み合わせて投げる練習のために、ステップの仕方を必ず教えてあげましょう。
まずは20秒ほど野球教室で子どもたちがやっている様子を動画でご覧ください。
最初はボールを持たずにサイドステップだけ練習します。
サイドステップだけで5歩から10歩横に動きます。
足はクロスさせず、スキップするようにリズムよくスムーズにできるようにしましょう。
大人のマネをさせるとすぐにできるようになります。
サイドステップができるようになったらボールを持って投げてみます。
サイドステップを3歩ほどして投げます。
ここでは特に投げ方の指導はいりません。
最初のうちは反対の足が前に出たり、ボールを地面に叩きつけてしまったりとうまくいかないことが多いですが、徐々に慣れてきて、体をどう動かしたらいいのかが自然と分かってきます。
この経験が全身を使って投げる力を育てるのです!
この練習方法は筑波大学の尾縣教授の研究でも効果があったと報告されている方法です。
低学年の子どもたちに有効な方法なので、ぜひやってみてください!
3.楽しく遊ぶこと
低学年の子どもは記録に興味がありません(笑)
「記録」という抽象的なことよりも、「できた!」というその場で分かる具体的なことに興味をひかれます。
子どもたちに
「記録を伸ばすためにがんばれ!」
といっても意欲はわきません。
それよりも、
「的に当てよう!」や「箱に入れよう!」のように
できたことがすぐに分かることを目標にして、ボール投げを楽しみましょう!
ダンボール箱を積み重ねたものを置いておくと、子どもたちは勝手にボールを投げて崩そうとします。
玉入れのカゴのようにちょっと高いところを狙って投げるのもとてもいい練習になります。
子どもがちょっとがんばればできそうな課題、うまくいったか失敗したかがわかりやすい課題を与えてあげると意欲的に取り組みます。
家の中でもできる遊びを動画で紹介していますので、参考にしてみてください。(約5分間の動画です)
楽しい遊びをしているなかで、自然と投げる回数が増え、上達していくように導いてあげましょう。
【まとめ】 ソフトボール投げ の記録を伸ばすコツ3点
- 持ちやすいボールで練習すること
- サイドステップからのスローイングを練習すること
- 楽しく遊ぶこと
この3つのコツに気をつけて練習すると、グンっと記録が伸びます。
低学年のうちなら、ちょっと練習しただけで大幅な記録向上が期待できます。
早くから投げる運動が得意になると、休み時間のドッジボールなどで楽しく投げる運動ができ、さらに好きになっていきます。
ぜひ、低学年のうちに3つのコツに気をつけて子どもたちと遊んでみてください。
(参考文献)
尾縣貢・高橋健夫・高木恵美・細木淳二・関岡康雄
『オーバーハンドスロー能力改善のための学習プログラム作成:小学校 2・3 年生を対象として』
体育学研究,46,281-294,2001
(本文はこちらからダウンロードできます)
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