【科学的に実証】バッティングで飛距離をアップするためのトレーニング方法
バットでボールを打っても遠くへ飛ばなくて悩んでいる方のために、科学的に明らかにされた大切なポイントをお伝えします。
結論から言うと、お尻の筋肉(大臀筋)が重要です!
- なぜお尻の筋肉が重要なのか?
- どんなトレーニング方法があるのか?
について解説します。
なぜお尻の筋肉が重要なの?
野球でボールを遠くに飛ばすためにはバットを速く振ることが大切です。
では、バットを速く振るためにはどうしたらよいのでしょうか?
バットを振る速さと股関節で生まれた力の関係について調べた研究があります。
関西大学の堀内元先生が2018年に発表した研究で、高校生から社会人までの野球部員98名のデータをもとに分析しています。
論文はこちらからダウンロードして読めます。
「野球のバッティングにおける股関節のダイナミクス」堀内元,中島大貴,桜井伸二 体育学研究63(2)2018
その研究によると、バッティングの時、キャッチャー側の足の股関節を伸ばす力が大きいほど、バットヘッドスピードが速くなるという関係が明らかになっています。
つまり、股関節を伸ばすお尻の筋肉(大臀筋)が強いとそれだけバットが速く振れ、ボールも遠くに飛ばすことができるのです。
昔から、「ホームランバッターはお尻が大きい」とよく言われてきましたが、研究によってそれが裏付けられた形になります。
バッティングの飛距離をアップするための練習方法
では、お尻の筋肉はどのようにして鍛えたらよいのでしょうか?
一般的なトレーニング方法としては、
- スクワット
- サイドランジ
がおすすめです。
スクワットのやり方の参考動画
サイドランジのやり方の参考動画
骨格がしっかりと成長した高校生以上の人はフリーウェイトやマシンで負荷をかけて筋力アップを狙ったウェイトトレーニングをするとよいでしょう。
小・中学生もバッティングの原理は同じで、お尻の筋肉が重要です。
しかし、骨がまだ成長途中なので重たい物を使ったトレーニングはおすすめしません。
何も持たずに正しいフォームに気をつけてスクワットやサイドランジをするだけで十分効果があります。
さらに、小学生から大人までできるおすすめのトレーニング方法は、「ハンマー投げ」です!
私が普段指導している初心者のための野球教室でも実践している方法で、誰でも簡単にできます。
まずは10秒ほどの動画を観てください。
使う道具はビニール袋とボールだけです。
ボールを入れた袋を何回か左右に振ってから勢いをつけて放り投げます。
コツはボールを入れた袋が体に巻き付くように、腰の回転の後から腕がついてくるように振ることです。
動画ではテニスボール3球を袋の中に入れて投げています。
中に入れるボールの重さは、小学生なら150g~300gくらいがいいでしょう。
軟式ボールだと1~2球くらいです。
実際に投げてみて、投げやすい重さに調整してください。
初めのうちは、どこに飛ぶかうまくコントロールできない場合があるので、広い場所で行い、周りの人に当たらないように十分気をつけて行うようにしましょう。
この「ハンマー投げ」の練習は実際のバッティング動作に近い動きでトレーニングすることができます。
お尻の筋肉を鍛えるとともに、バッティングに必要な他の筋肉にもバランス良く刺激を与えることができます。
また、投げること自体が楽しいので、子どもたちは遊び感覚で楽しみながら練習することができます。
中学生や高校生では、もう少し中に入れるボールの重さを重くしてトレーニングしてみてもよいでしょう。
キャッチャー側の足の股関節を曲げた状態から一気に伸ばすエネルギーが腕に伝わることを意識して練習しましょう。
お尻の筋肉がつき、上手に使えるようになると、必ず飛距離がアップします!
ぜひ、みなさんの練習に取り入れていただき、ボールをかっ飛ばす楽しさを味わっていただけたらと思います。