空振りばかりでバットにボールが当たらない初心者にオススメの練習方法
ボールがバットに当たらない・・・
野球の醍醐味はバットで思い切りボールを打って遠くへ飛ばすことです。
子供にも野球を楽しんでもらいたいと思ってバットを購入。
いざ、バッティング!
と意気込んでみたものの全く当たらない・・・。
「ボールをよく見て!」と言ってもかすりもしない。
そんなことありませんか?
はじめまして、NPO法人北摂ベースボールアカデミーの植松です。
大阪の北部、北摂エリアで初心者のための野球教室を主催しています。5年間で300人以上の初心者の子供たちに野球を教えてきました。
たくさんの子供たちを見てきた経験を元に、初心者に教えるコツをお伝えします。
結論からお伝えすると、まずは大きなボールを打ったり、テニスラケットで打ったりしてみましょう!
なぜ初心者の子供は空振りしてしまうの?
まず安心していただきたいのは、初心者の子供はバットにボールが当たらないのが普通です。
なぜ空振りしてしまうのか。
理由は大きく分けて2つ。
1つはバットをうまく扱えないから。
もう1つはボールが飛んでくる軌道の予測ができないから。
特に予測ができるかどうかが重要です。
ボールは見えていない!?
実は、バッティングの際、ボールがバットに当たる瞬間まで見ることができる人はいません。
打者の頭部と眼球の運動について調査した研究では、・・・打者はインパクト直前からボールが見えていないということを示している。
神事努監修 Baseball Geeks編集部著「新時代の野球データ論:フライボール革命のメカニズム」カンゼン,2019,p82~83
人間の身体能力では高速で移動するボールを目の動きで捉え続けることはできないのです。
ではどうやって打っているのかというと、ボールの軌道を予測して「おそらくこのあたりを通るだろう」と予測してバットを振っています。
視線を遮ることができるサングラスを使った研究によると、野球経験者は投げてから0.15秒後に視線を遮られても、通常と同じように打てることが報告されています。
つまり、投げられたボールがどこに来るか予測できることがバッティングにおいて重要なのです。
予測とのズレを感じよう!
初心者の子供はまず、ボールの軌道が予測できるようになる必要があります。
ボールが飛んできそうなところを予測してバットを振ってみるのです。
その時に頼りになるのは視覚ではなく「触覚」です。
ボールがバットに当たったのか、当たらなかったのかの手応えが予測の正しさを教えてくれます。
手応えを得るためには、少しでもいいからバットとボールが触れる必要があります。
そのためにボールを大きくしたり、テニスラケットで打ってみたりすることが有効なのです。
少しでも手応えがあれば、予測より上を振っているのか、下を振っているのか、早いのか遅いのかのフィードバックがあり、自分で修正ができるようになっていきます。
予測の精度が上がれば格段に空振りする回数が減ります。
楽しみながらいろんな打つ遊びをしよう!
ボールの軌道を予測できることは野球に限らず様々な球技系スポーツに共通する重要な能力です。
初めはうまくいかなくても、色んなボールの軌道を見て、実際に体を動かして触ることで少しずつ感覚が身につきます。
「空振りせずに打ちたい!」
と思ったら、野球のバットとボールで練習するだけでなく、テニスラケットやバドミントン、卓球、バレーボールなど色々なボールを使った遊びを体験しながらボールの軌道を予測する能力を育てていきましょう!